ネコちゃんを含め、動物が自ら、もしくは他の動物のウンチを食べてしまうことを食糞といいます。
この食糞行動は、ワンちゃん(特に子犬)にはよくみられますが、ネコちゃんではあまりみられません。
では、ネコちゃんが食糞行動を示すようになったら、どんなことが考えられるのでしょうか?
1.仔猫の食糞
生まれたばかりの動物の腸内には、生きるために大切な腸内細菌がまだ宿っていません。そのため、他の動物のウンチを食べて腸内細菌を増やすという行動がみられることはあります。また、遊んでいるときにウンチを口にしてしまうネコちゃんも時折みられます。しかし、頻繁にウンチを食べる場合には、お腹の病気に罹っているかもしれません。できるだけ早めに動物病院で検査をしてもらいましょう。
2.お腹の病気
大腸炎やお腹の寄生虫など、消化器系の病気が原因で食糞行動を起こすことがあります。特に、ウンチが緩い(軟便や下痢)もしくは硬い、ウンチに粘液や血液が付着しているときには早急に動物病院で糞便検査を受けたほうがよいでしょう。病状によっては、血液検査やエコー検査をしたほうがよいかもしれません。
3.その他の病気
糖尿病や甲状腺機能亢進症などの病気では食欲が増える傾向があります。食欲増大により必ずしも食糞が起こることはありませんが、中高齢のネコちゃんが食糞行動を示すようになったら、このような病気を除外することも大切です。
糖尿病は肥満傾向のネコちゃんにみられることの多い病気ですが、一般的な体形のネコちゃんでも起こる可能性はあります。
甲状腺機能亢進症は中高齢のネコちゃんによくみられる病気です。
この二つの病気では、食欲の変化以外にも飲水量や尿量が多くなる傾向もみられます。
動物病院で受診する際、このような情報についてもご提供いただくと診断しやすくなるでしょう。
また、高齢のネコちゃんでは、認知症の影響で食糞行動を示すことがあります。
4.ストレス
ネコちゃんは環境の変化や体の不調などによりストレスを抱えてしまうことがあります。
ネコちゃんにとって環境の変化とは、新しいネコちゃんやワンちゃん、家族が増えた、引っ越しをした、近くで工事が始まった、フードの変更、トイレの場所が変わったなどです。
このような環境変化後に食糞行動がみられるようになった場合には、環境の改善を試みることが大切です。
ネコちゃんが食糞行動を示すようになったら、まずは動物病院で糞便検査など必要に応じた検査をできる限り早めに受け、適切な対処を行いましょう。