ネコちゃんと海外にお引越し どんなことに気をつけたらいいの?

ネコちゃんと共に国外へ引っ越す際には、 日本国内そして渡航先の国で、 いろいろな手続きが必要になりま す。 その内容については各国により異なりますので、 ここでは省略させていただきます。


ただ、 複数回にわたるワクチン接種や接種後に十分な抗体がネコちゃんの体内で作られているかをチェック する抗体価検査、 マイクロチップの埋入などが必要になることが多いため、 十分な準備期間を設けておくこ とをおすすめいたします。

 

飛行機
国外へ引っ越す場合には、 飛行機への搭乗は免れないでしょう。
通常、 飼い主様と同じ飛行機で目的地まで行くことは可能ですが、 一般的にネコちゃんは貨物扱いにされて しまうため、 搭乗前にネコちゃんを預けてから、 飛行機が目的地に到着し、 手続きを終え、 検疫を終了する まで会うことはできません。
ただ最近では、 渡航先や航空会社により、 飼い主様の席の近くにネコちゃんを連れていくことができるよう です。
なお、 貨物室や機内では騒音や気温変化が激しいため、 キャリーの中にネコちゃんが隠れやすい毛布などを 入れておくとよいでしょう。
また、 ネコちゃんの海外移住手続きでは動物病院での健康診断が必須となりますが、 できれば、 心臓の検査 まで実施しておくことをおすすめいたします。

 

検疫
海外の目的地に到着後、 国によっては指定検疫施設で一定期間を過ごさなくてはなりません。 検疫期間は国 により異なりますが、 例えば、 オーストラリアではおよそ
1カ月間の検疫期間となります。 なお、 オースト ラリアの検疫施設では週に2回程度の面会が可能です。 オーストラリアのネコちゃん用検疫施設は広く、 各 ネコちゃんの部屋に飼い主様が入って面会することができます。 また、 ネコちゃんが快適に過ごせるよう、 外が見え、 上り下りできる段差もついています。
以前、 オーストラリアへネコと一緒に移住した経験があるため、 オーストラリアの検疫情報について少々 追加してお伝えしております。
検疫期間中、 何の症状もみられず、 健康であることが証明されれば、 その国の新しいお家へ移動することが できます。

 

新しいお家へ引っ越し
ネコちゃんは環境の変化に弱い傾向がみられます。
水やフード、 猫砂など、 新しい国のものに慣れるまで時間がかかるかもしれません。 ネコちゃんが少しでも安心できる環境を整えるためには、 高いところに落ち着ける場所を用意する、 ハウス 
付きキャットタワーなど隠れることのできるスペースを準備してみましょう。
また、 環境の変化によるストレスが原因となる病気には、 特発性膀胱炎や心因性脱毛症などがあります。 ト イレによく行く、 尿の色が赤くなる、 トイレに座っていることが多くなる、 以前よりもグルーミング時間が 長くなった、 脱毛部位がみられる、 などの症状がみられたら早めに動物病院での受診をおすすめいたします。

引っ越しはネコちゃんにとって大きなストレスになってしまうかもしれませんが、 海外でより快適な新たな ライフスタイルを始めることができるかもしれません。
そのためにも、 引っ越し前に適切な健康診断をしっかりと受け、 引っ越し後はネコちゃんの些細な変化を見 逃さないよう心がけましょう。

 

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