ネコちゃんに必要な栄養素

ネコちゃんが私たち人間と暮らすようになったのは約3500年も前からといわれています。肉食性のオオカミを祖先とするワンちゃんは、私たちと共に暮らすようになってから雑食性へと変化してきました。しかし、ネコちゃんは祖先と変わらず肉食性のままです。

ネコちゃんにとって必要な栄養素はタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、そして水分です。人やワンちゃんと同様ではありますが、各栄養素の必要な割合は少々異なります。

 

 

タンパク質

タンパク質はネコちゃんの被毛や皮膚、筋肉や臓器を健康な状態に保つため、また、エネルギー源としても大切な栄養素です。

肉食性のネコちゃんは私たち人間や犬よりも必要とするタンパク質の割合が高く、特に動物性タンパク質は重要です。肉や魚、乳製品などに含まれる動物性タンパク質は、胃や腸で消化・分解されてアミノ酸となり体に吸収されます。

この動物性タンパク質にはネコちゃんに不可欠な必須アミノ酸であるタウリンやアルギニンが含まれており、不足してしまうと目の病気や心臓の病気を起こしてしまうことがあります。

炭水化物

炭水化物はエネルギー源となる栄養素ですが、ネコちゃんはタンパク質からもエネルギーを産生することができるため、他の哺乳類ほどその必要性は高くありません。

しかし、炭水化物である穀類や野菜に含まれる食物繊維は腸の動きを整えるほか、腸内細菌のバランスを整える効果もあるため、特に便秘しがちなネコちゃんでは重要視すべき栄養素です。

脂質

脂質は高率なエネルギー源となるほか、皮膚や被毛を健康な状態に保ち、嗜好性を高める効果もあります。

また、アレルギ―などの免疫系疾患や心臓病、関節炎に罹ったネコちゃんでは特に大切な栄養素です。

ただし、脂質を過剰に摂取してしまうと膵炎などの消化器系疾患、ホルモンの病気、心臓の病気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

ビタミン

ビタミンは代謝を調節するなど体の機能を円滑に働かせるために必要な栄養素です。ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあり、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kは過剰に摂取してしまうと体に蓄積してしまうため注意が必要です。

また、ネコちゃんは私たちと違い、ビタミンCを自らの体内で合成することのできる動物です。しかし、年齢を重ねたときや病気に罹ると不足してしまうことがあるため必要に応じて補給してあげましょう。

ミネラル

ミネラルは体の水分バランスを整えるほか、代謝の調整、神経や筋肉の働きに欠かせない栄養素です。

ネコちゃんに必要なミネラルには、カルシウムやマグネシウム、リン、ナトリウムなどがあり、これらのミネラルをバランスよく摂取することがとても大切です。

特に、腎臓の病気や尿石症など泌尿器系の病気に罹っているネコちゃんや心臓病に罹っているネコちゃんでは、ごはんから摂取するミネラル成分に注意が必要です。

 

そして、絶対に欠かすことのできない水分。私たち同様、ネコちゃんの体の60~70%は水分から作られています。 ネコちゃんの祖先であるリビアヤマネコは砂漠地帯に生息していたため、ネコちゃんの体には少ない水分摂取量でも生きることのできる仕組みが携わっています。しかし、適切な水分補給は重要です。ネコちゃんがあまり水を飲まないときには補給法を工夫してみましょう。また、ネコちゃんに発生の多い腎臓病では、水分摂取量が変化します。水の飲む量が多くなった、もしくは少なくなったときには早めに動物病院で診察を受けましょう。 ネコちゃんの健康を維持するため、値段や嗜好性だけではなく、年齢や生活環境、体質に合わせた適切なフードを選びましょう。

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