
ネコちゃんのお腹トラブル、今回は軟らかいウンチ(軟便)と下痢についてお話しさせていただきます。
【軟便と下痢との違い】
軟らかいウンチ、軟便は約80~85%以上の水分を含むといわれており、正常なウンチの形状が残るけれど軟らかい~べったりとした形状のウンチまで様々です。
また、水分がおよそ90%以上含まれる水のようなウンチを下痢と呼んでおり、少量の水様性の便を何度も繰り返す、また、トイレ以外のところで粗相をしてしまうこともよくあります。
【下痢や軟便の原因とケア】
下痢の場合、特に嘔吐や食欲·元気の低下を伴うときには、動物病院に相談する方は多いと思いますが、そのような症状はなく、下痢ほどまでひどくはないけれど···という場合には受診すべきか悩んでしまうことが多いのではないでしょうか?
そんな時、まずは以下の項目をチェックしてみましょう。
・フードの変更をした、新しいおやつをあげた
・新しいネコちゃんやワンちゃんを迎え入れた
・ペットホテルでのお泊り、車などでの長時間の移動
・来客、近くで工事や騒音など環境の変化
下痢や軟便のほかに嘔吐、元気·食欲の低下があるときには早急に動物病院を受診されることをお勧めしますが、そのような他の症状を伴わない場合、そして、上記のような環境の変化があった場合にはまずはお家でのケアを試みてもよいでしょう。
【フードやおやつの変更があったとき】
新しいフードは避け、消化の良いフード、できれば消化器系療法食少量を何回かに分けて給餌し数日間様子を見てみましょう。
状態が安定した後、新しいフードにあらためて変更したい場合には、2週間程かけて少しずつ新しいフードに変えてみましょう。その時にも下痢や軟便が再発するときには、その新しいフードはお勧めできません。
【新しいネコちゃんやワンちゃんを迎え入れた時】
そのような状況で下痢や軟便が始まった時には、細菌やウィルス、寄生虫などの感染症や、ストレスが原因になっているかもしれません。
新しいネコちゃんやワンちゃんを迎え入れる場合には、先住ネコちゃんと対面をさせる前に、迎え入れるネコちゃんやワンちゃんの便検査や健康診断を行うことをお勧めします。
また、先住ネコちゃんへのストレスをできる限り軽減するため、まずは違う部屋やケージでお互いの臭いを認識させてから、など、各ネコちゃんに合った方法で紹介していくとよいでしょう。
【お出かけやお泊り、来客など一時的な環境の変化があったとき】
消化器系療法食もしくはいつものフードを、1回分の量を少なくして、1日何度かに分けながらあげ、数日間様子をみてみましょう。
症状の改善傾向がみられる場合には、様子を見てもよいでしょう。
2日以上経っても状態が良化しない、もしくは悪化する場合には、動物病院での受診をお勧めします。
【それ以外の原因】
ネコちゃんに下痢や軟便を引き起こす原因はほかにもあります。
・感染症:特にお外におでかけするネコちゃんでは、寄生虫や細菌、ウィルスへの感染が起因することがあります。
・腸の病気:腸に炎症を引き起こす病気―慢性腸症やアレルギー、ひも状異物などを飲み込んでしまう誤飲、リンパ腫などの腫瘍等
・腎臓や肝臓の病気
・神経系の病気
・ホルモンの病気:中高齢のネコちゃんに多くみられる甲状腺機能亢進症等
このような病気を診断するためには、便検査や血液検査、レントゲン検査、エコー検査、内視鏡検査などが必要になります。
また、ワクチン接種後や動物病院で処方された薬(抗生物質など)によって軟便や下痢を引き起こすことがあります。そのような場合には、受診した動物病院へはやめにご相談ください。
獣医師紹介

ルール 久枝先生
日本で馬と小動物の臨床獣医に従事後、2002年にオーストラリアへ移住。その後はオーストラリアと日本を行き来しながら獣医業と獣医翻訳業に勤しむ。2011年に犬と猫、馬の代替治療院”Essence Care”をオーストラリアで開設。
