【ネコちゃんのノミ・マダニ予防】予防薬は必要? 予防薬の注意点

ノミやマダニの予防薬は本当に必要??


うちの子はお外に出ることはないけれど、ノミ・マダニ予防薬は必要?

ノミやマダニの感染は怖いけれど、毎月(もしくは数カ月ごと)予防薬を使って大丈夫?ネコちゃんへの害はない?

動物病院でそのような質問を受けることは少なくありません。


ネコちゃんへのノミ・マダニ予防薬の必要性は、各ネコちゃんのライフスタイルにより異なります。


以下の項目にあてはまるネコちゃんには、ノミ・マダニ予防薬の有用性は高いでしょう。

・時々でもお外に出ることがある。(リードを付けてお庭だけ、も含む)

・お外に出るネコちゃんと同居·接触することがある。

・新しいネコちゃんもしくはワンちゃんを迎え入れた。

・お外に出るワンちゃんと同居·接触することがある。

・お外に出ることはないけれど、今まで背中のかゆみや脱毛症状を示したことがある。(ノミアレルギー、アレルギー性皮膚炎といわれたことがある。)


上記の項目に当てはまらないネコちゃんに関しては、マダニが寄生する心配はほぼないでしょう。

しかし、ノミに関しては、ヒトの靴などに付着したノミの卵が家の中に持ち込まれ、ふ化してネコちゃんの体に寄生することはあるようです。

実際に、上記の項目に当てはまらないにもかかわらず、普段から玄関の土間でゴロゴロ寝転ぶネコちゃんに少数のノミが寄生していたことはあります。


ネコちゃんにノミやマダニが寄生すると?


【ノミ】

ネコちゃんの体にノミが寄生すると、吸血するときにノミの唾液が刺激となり、痒みや脱毛を引き起こします。

ノミが大量に寄生すると、たくさん吸血されることにより貧血を起こすこともあります。

また、ネコちゃんがグルーミングする際、条虫などに感染したノミを飲み込んでしまうと、ネコちゃんにうつる危険性もあります。


【マダニ】

草むらに潜むマダニがネコちゃんに寄生すると、吸血はされますが、痒みや痛みを示すことはあまりありません。

マダニの寄生で一番怖いのは、ネコちゃんの命を脅かすこともあるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウィルスなどに感染してしまうことです。

このウィルスはマダニからヒトにも感染し、命を奪われる方も年々増え続けているため、ニュースで取り上げられることが多くなっています。

このウィルスはネコちゃんにも感染することが確認されており、ヒトよりも致死率が高い(致死率は人では27%、ネコちゃんでは60%)こともわかっています。

すべてのマダニがこのウィルスを保有しているわけではありませんが、万が一ネコちゃんにマダニが寄生した場合、マダニを駆除するだけではなく、その後(潜伏期間、症状がでるまでの期間は約12週間といわれています。)の状態を観察し、食欲や元気の低下がみられた場合には動物病院を受診しましょう。

なお、SFTSはネコちゃんからヒトへ感染することも報告されています。


【どんな予防薬がいいの?】

ネコちゃんのノミ・マダニ予防薬にはいくつかの種類があります。

まず、肩甲骨の間や首の後ろに滴下するタイプ経口(飲む)タイプに分かれます。滴下タイプの場合、滴下部に痒みや脱毛を起こしてしまうネコちゃんもいます。その場合には、他のブランドや経口タイプにするとよいでしょう。

また、予防対象がノミ・マダニのタイプ、フィラリアにも効果的なタイプ、おなかの寄生虫数種類にも効果を発揮するタイプがあります。

ネコちゃんのライフスタイルに合わせて最適なタイプを選びましょう。


なお、ノミ・マダニ予防薬は添付文書の指示通りに使用していれば通常は効果を発揮します。

しかし、以下のような理由でノミやマダニが寄生してしまうことがあります。

・お住いの地域のノミ·マダニが特定の予防薬に対して耐性ができてしまう。

この場合には、他の製品を試してみましょう。

·市販薬 

市販薬によっては、ノミ·マダニ予防効果が低いことがあるようです。この場合には、動物病院で処方されている予防薬を試してみるとよいでしょう。

·予防効果を発揮するまでにタイムラグがある。

各予防薬により、ノミやマダニがネコちゃんの体に付着してから除去効果を発揮するまでの時間は異なります。お使いの予防薬がどのくらいで効果を発揮するか、確認しておきましょう。



予防薬を定期的に使用しても大丈夫?

毎月もしくは特定の月に定期的に予防薬を使用してもネコちゃんに害はないのか、懸念される方は少なくありません。

予防薬による副作用は0%ではありませんが、動物病院で処方されている予防薬は比較的安全かつ効果的だと思われます。

ネコちゃんのライフスタイルによるノミやマダニへの感染率、お住まいの地域での発生状況、ノミやマダニがもたらす健康被害などを考慮し、ノミ・マダニ予防薬の必要性を判断することがベストでしょう。

 

獣医師紹介

ルール 久枝先生

日本で馬と小動物の臨床獣医に従事後、2002年にオーストラリアへ移住。その後はオーストラリアと日本を行き来しながら獣医業と獣医翻訳業に勤しむ。2011年に犬と猫、馬の代替治療院”Essence Care”をオーストラリアで開設。

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