
ネコちゃんの体には、およそ4000万本もの被毛が生えており、日々、新しい毛が作られています。
ネコちゃんの被毛は、体を守るほか、体温調節、毛を逆立てることにより体を大きくみせ、他のネコを威嚇することにも役立っています。
春と秋になると、たくさんの被毛が抜けかわる時期があり、換毛期と呼ばれています。換毛期は通常日照時間や温度の変化により起こり、春には暑い夏に備えて冬毛から夏毛に、秋には夏毛から冬毛へと抜けかわります。
ただし、家の中だけで暮らしているネコちゃんは、エアコンや電気照明により一定の日照時間と温度が保たれているため、1年中被毛が抜け替わることも珍しくありません。
換毛期にはどんなケアが必要?
ネコちゃんの換毛期は、通常6~8週間で終わります。
その間、以下のようなケアが効果的です。
・ブラッシング
長毛種のネコちゃんにはできれば毎日、短毛種のネコちゃんには週に3日程度のブラッシングが効果的です。
長毛種のネコちゃんにはスリッカーのような根元からしっかり抜け毛を取れるタイプがおすすめです。短毛種のネコちゃんにはゴム製のブラシや手袋など、各ネコちゃんが好きな、もしくは受け入れてくれるタイプのブラシを選びましょう。
ブラッシングを嫌がるネコちゃんもいるので、無理はせず、まずは毛の柔らかいタイプのブラシでもいいので、少しずつ慣れてもらいましょう。
毛玉ができてしまった場合には、コームで解くか、難しければカットしても構いません。ただし、ネコちゃんが毛玉の処理を嫌がる場合には、毛玉の下に皮膚炎を起こしている可能性もあるため注意が必要です。また、お家で毛玉をカットする際、誤って皮膚を切ってしまうこともあるため慎重に行うか、動物病院やトリミングでケアしてもらいましょう。
・トリミング
お家でのヘアケアが難しい場合、ペットサロンや動物病院でのトリミングというオプションもあります。ただ、激しく嫌がるネコちゃんや、毛玉·皮膚の状態が悪いネコちゃんの場合には、鎮静(軽度の麻酔)や麻酔をかけて全身もしくは部分的に毛を刈る、または毛玉を切るなどの処置が必要かもしれません。
しかし、鎮静や麻酔にはリスクを伴います。血液検査などでネコちゃんの全身状態を確認してから検討することをおすすめします。
・サプリメント
被毛ケアにおすすめのサプリメントはオメガ3、6脂肪酸です。皮膚の健康状態を向上させるほか、心臓や関節にも効果があります。
!毛球症に注意!
換毛期になると、毛玉をよく吐くという症状のため来院されるネコちゃんが多くなります。
飲み込んでしまった被毛は、吐き出す、もしくはウンチと一緒に出すことができれば問題ありません。しかし、胃の中で毛の塊が大きくなり、吐き出すことができなくなる、もしくは、腸の中で詰まってしまうと大変です。そのような毛球症になると、何度も吐く、ウンチが出ない、食欲や元気がなくなるという症状がみられるようになります。
ブラッシングをしても毛玉を頻繁に吐く場合には、毛玉を便中に出しやすくするパラフィン製剤などを週に数回使用するのも効果的かもしれません。
獣医師紹介

ルール 久枝先生
日本で馬と小動物の臨床獣医に従事後、2002年にオーストラリアへ移住。その後はオーストラリアと日本を行き来しながら獣医業と獣医翻訳業に勤しむ。2011年に犬と猫、馬の代替治療院”Essence Care”をオーストラリアで開設。
