
湿度や気圧、気温の変化が激しくなる梅雨の季節、ヒトでは頭痛や倦怠感などの体調不良を引き起こす気象病が懸念されています。
ネコちゃんでは気象病という呼称はあまり使われていませんが、そのような気候の変化はさまざまな体調不良に関連すると考えられています。
【最適湿度】
ネコちゃんにとっての最適湿度は、日本では40~60%と考えられているようですが、海外の文献では30~50%といわれています。
ネコちゃんが乾燥した気候を好むのは、ネコちゃん(イエネコ)の祖先(リビアヤマネコ)が乾燥気候の砂漠地帯(エジプト)に住んでいたからかもしれませんね。
【気象病】
湿度や気圧、気温の急激な変化、特に低気圧や高湿度、高気温になると、自律神経のバランスが乱れ、さまざまな体の不調を引き起こします。
·おしっこトラブル
トイレに何度も行く、尿量が少ない、尿の色が濃いもしくは赤っぽいなどの症状を示す猫泌尿器症候群(猫の下部尿路症候群)がよくみられます。
気候の変化により起こるだけではありませんが、同じ日に同様の症状で来院するネコちゃんが多い時には、気象病が関連しているのかなと思うことがあります。
このような症状がみられたら、あまり経過観察をせず、はやめに動物病院へ相談しましょう。特に、トイレに何度も行くのにおしっこが全く出ない状態が24時間以上続く場合には命に係わることもあるため早急な対応が必要です。
·心臓の病気
ネコちゃんの心臓病で一番多いのは肥大型心筋症という病気で、健康なネコちゃんのうち10~15%のネコちゃんが罹患していると報告されています。
うちの子は何の症状もないし、動物病院の聴診で何も言われたことがないから大丈夫、と思われている方が多いかもしれませんが、突然倒れてしまう、もしくは命を落としてしまう可能性のある怖い病気です。特に、気候の急激な変化により心臓への負担が大きくなる梅雨の季節には注意が必要です。
これまで、心筋の異常を確認する血液検査(心臓病マーカー)を受けたことがない場合には、動物病院で検査しておくことをおすすめします。年に1回程度の健康診断を受けている場合には、心臓病マーカーを追加することが可能な場合もあります。かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
この心臓病マーカーで異常が認められたら、心臓のエコー検査やレントゲン検査で確定診断を下すことができます。
·そのほか
特にアレルギーをもつネコちゃんでは、高湿度、高温により皮膚や耳のかゆみが悪化することがあります。
また、日ごろから鼻炎や気管支炎、喘息に悩まされているネコちゃんでも症状の悪化を示すことがあります。
食欲の低下や嘔吐、軟便などの消化器症状を示すこともありますが、何らかの病気に起因していることもあるため、早めの受診をお勧めします。
【対策】
·エアコンと除湿
室内飼いのネコちゃんには、エアコンや除湿器を使い、室内の気温および湿度の最適化を試みましょう。
·新鮮なお水とフード
みなさん、すでに気を付けていることだとは思いますが、念のために記載しておきます。
·早めの受診もしくは相談
状態が悪化する前に、早めに動物病院などでの受診や相談をおすすめします。
そこまで状態は悪くないし、動物病院にネコちゃんを連れて行くのは大変だし、という場合には、獣医師へのオンライン相談センターを利用してみるのもいいでしょう。
獣医師紹介

ルール 久枝先生
日本で馬と小動物の臨床獣医に従事後、2002年にオーストラリアへ移住。その後はオーストラリアと日本を行き来しながら獣医業と獣医翻訳業に勤しむ。2011年に犬と猫、馬の代替治療院”Essence Care”をオーストラリアで開設。
