ネコちゃんの熱中症

ネコちゃんが熱中症を起こすと、食欲や元気がなくなる、体や耳が熱くなる、暗いところに隠れる、よだれを垂らす、下痢や嘔吐、口を開けて呼吸をする、呼吸が早くなる、ぐったりする、ふらつく、震える、意識を失う、発作など重症度によりいろいろな症状を示します。

熱中症の原因

ネコちゃんが熱中症を起こす原因は、高温多湿の場所に長くいる、水分補給が不足する、体内の熱を放散しにくくなる、などがあります。

ネコちゃんは、エアコンをつけてお部屋を快適な湿度・温度にしていても、外で大きな音がするなど怖い思いをすることで、暑くても安全な場所に隠れてしまうことがあります。

また、思いがけず密室(押し入れなど)に閉じ込められてしまうこともあります。そのような暑い場所で、水分補給できずに長時間過ごすと熱中症を起こしてしまう可能性があります。

ネコちゃんは快適な場所を探して自ら移動しますが、腰痛や関節炎に罹っていると、高いところへの上り下りを躊躇するようになります。そのようなネコちゃんは、涼しい場所や水を飲むところへのアクセスがしやすいよう配慮しましょう。(12歳以上の猫ちゃんの約90%は関節炎に罹っていることが報告されています。)

体内の熱を放散しにくくなる要因には、心臓や呼吸器、腎臓などの病気、高齢・若齢、短頭種や長毛種、肥満などがあります。

特に、心臓の病気はネコちゃんでは症状を示すことが少ないため発見されないことも少なくありません。定期的な健康診断を受け、このような病気を早期発見することは大切です。

熱中症の対策

・エアコンでお部屋を適切な温度・湿度に設定しておく、特に、ねこちゃんが普段過ごしている場所(高いところや床など)の温度・湿度を最適(温度は25~28℃、湿度は40~60%程度)にすることが大切です。また、エアコンや扇風機の風が直接あたることを嫌がるネコちゃんもいるため、ネコちゃんが快適に過ごせる場所をいくつか作っておきましょう。

・心臓や腎臓の病気や関節炎に罹っていないかなど、動物病院で定期的に健康状態をチェックしてもらいましょう。

・水飲み場はネコちゃんが安全と思える場所、数か所に設置し、できる限り新鮮な水を与えましょう。

どんなに注意していても熱中症は起きてしまうことがあります。 熱中症が疑われる場合、もしくはネコちゃんの状態がいつもと違うなと感じたら、早急にかかりつけの動物病院へご相談ください。

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