
落ち着きのなさなどの症状を示すADHD(多動症・注意欠如)という病気は、ヒトやワンちゃんにみられることはありますが、ネコちゃんでの発生は認識されていません。
しかし、ネコちゃんがADHD的な症状を示すことはあり、それがいくつかの病気や病態に関連していることはあります。
ネコの知覚過敏症候群(FHS)
この病気では以下のような症状を示すことがあります。
·背中の皮膚をぴくぴくとしきりに動かす
·手足や背中、尾などの皮膚を激しく舐めたり噛んだりする
·突然走り出したりジャンプする
·尾を異常に追いかける
·過剰に鳴く
·触れた時に過剰に反応する
·瞳孔が大きくなる
·よだれを垂らす
·発作のような症状を示す
このような症状は、皮膚のアレルギーや関節の痛み、ホルモンの病気(中高齢のネコちゃんによくみられる甲状腺機能亢進症など)、体の不調、環境の変化やストレス、脳神経の病気に関与していることがあるため、まずはその原因を究明することが大切です。
動物病院で診察を受ける前に、以下の点に留意してネコちゃんのお家での様子を観察してみましょう。
·どのくらいの頻度で症状がみられるか、また、症状の継続時間
·トイレの変化(排便排尿の回数や量、色)
·環境の変化(引越し、来客、新しい家族の迎え入れ、家の周りでの騒音など)
·高いところに上らなくなったなど行動の変化
·ノミなど寄生虫の感染予防(室内飼いのネコちゃんでも感染することはあります。)
·食欲はあるのに痩せてきた
·飲水量や尿量が増えてきた
動物病院では、問診と身体検査のあと、必要に応じて血液検査(一般検査のほか、甲状腺ホルモンの検査など)や神経学的検査(瞳孔の大きさや反射を確認する検査など)、レントゲン検査(関節炎の疑いがある場合)等を行うことが多いです。脳神経の病気が疑われる場合には、MRI検査などの精密検査が推奨される場合もあります。
上記のような検査の結果、FHSなどの病気が疑われる場合には、各疾患および病状に合わせた治療が施されるでしょう。
動物病院にネコちゃんを連れていくことは飼い主様にとってもネコちゃんにとっても大変だと思います。ただ、甲状腺機能亢進症や関節炎など、治療を行うことによりネコちゃんがより快適に暮らすことのできる病気に罹っている場合には、できる限り早くに動物病院で受診する価値はあるでしょう。実際に、もっと早くに治療してあげればよかったと後悔される飼い主様もいらっしゃいます。
ネコちゃんの性格と病状を考慮して、まずはかかりつけの動物病院に相談してみることをお勧めいたします。
