ワンちゃんとおでかけ! 長旅やお泊り旅で気を付けたいこと

ゴールデンウィークやお盆休み、お正月休みなど、長いお休みの間やその後に、体調不良のために動物病院を受診するワンちゃんは少なくありません。

では、どうしてそのような不調が起きてしまうのでしょうか?また、そのような体調不良をどのように予防もしくは軽減できるのでしょうか?

 

乗り物酔い

長いお休みとなると、車や電車、飛行機で遠出する傾向がみられます。

普段、車に乗り慣れているワンちゃんでも、長時間の乗り物移動により体調を崩してしまうことがあります。

この乗り物酔いは多くのワンちゃんが経験しているようです。(海外の調査では、2050%のペットが乗り物酔いに罹ったことがあると報告されています。)


乗り物酔いの症状は、

・よだれがでる

・嘔吐してしまう

・鼻や口をしきりに舐める

・静かになる、元気がなくなる

・パンティングする(ハアハアする)

・クンクンと鳴き続ける

・落ち着きがなくなる

・震える、小さくうずくまる


このような症状は、乗り物の中だけではなく、目的地や家に到着してからみられることもあり、後から軟便や下痢、食欲低下を伴うこともあります。

 

[乗り物酔い予防]

乗り物酔いを完全に予防することは難しいかもしれませんが、症状を緩和することはできるかもしれません。

車で長時間移動するときには、普段から短時間のドライブで車に慣れてもらうと効果的かもしれません。短時間のドライブ練習では、ワンちゃんの大好きな場所へ行く、もしくは到着地でワンちゃんの大好きなおもちゃで遊ぶ、大好きなおやつを少しだけ食べるなど、ワンちゃんにとってドライブが楽しいことを学んでもらいましょう。


長時間ドライブでは、以下のような点に注意してみましょう。

・出発の8時間前までにご飯を済ませておく

・お水をいつでも飲めるようにしておく

・キャリーの中のほうが安心できるワンちゃんは、キャリーで移動

・ワンちゃんの匂いのついた毛布などをワンちゃんのそばに置いておく

・ワンちゃんの好きなおもちゃをそばに置いておく

・車内、特にワンちゃんのいる場所が涼しくなるよう温度を設定


乗り物酔いがひどいワンちゃんには、動物病院で嘔吐予防薬や落ち着く薬、サプリメントなどを処方してもらうという選択肢もあります。また、ワンちゃんを落ち着かせるフェロモンのスプレー(アダプティル)などを使ってみるのもよいでしょう。

 

食べ物

お出掛け先で美味しいものを食べることは旅の楽しみの一つかもしれません。

ワンちゃんにも一口おすそ分けしてあげたくなるかもしれませんが・・・

ワンちゃんは、脂肪分などが多く含まれる人用の食べ物を摂取するとお腹の調子を崩すことがあります。特に、膵炎には要注意です。

旅先でも、普段から食べ慣れているワンちゃん用のフードとおやつを食べることをおすすめします。

 

寄生虫予防

キャンプなど、川辺や草むら、森の中へお出掛けするときには、ノミ、マダニ予防薬の事前投与をおすすめします。もし、定期的に投与しているフィラリアのお薬にノミ・マダニ予防が含まれている場合には、マダニの予防効果期間をチェックしてフィラリア予防薬の投与時期を調整するとよいでしょう。

もし、旅行後に軟便や下痢がみられた場合には、動物で便検査を受けましょう。


ワンちゃんも人と同じく、楽しい旅の後には疲れがでやすいものです。長旅のあとにはのんびり過ごす工夫をして、体調が悪そうなときには早めに動物病院を受診しましょう。

 

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