監修・執筆:ルール久枝獣医師

避けることのできない暑い季節、多くの方々はさまざまな熱中症予防を試みているのではないでしょうか?
それでも、熱中症に罹り、動物病院での治療を余儀なくされるワンちゃんがいることは事実です。
今回は熱中症を予防するため、特に夏のお留守番での注意点についてお話しします。
【エアコン】
ワンちゃんが暮らすお家では、夏の間、エアコンはフル稼働のことが多いのではないでしょうか?
しかし、エアコンのついたお部屋ですごしていた、もしくはお留守番していたワンちゃんが熱中症になってしまったということは実際に起きています、
設定温度
ワンちゃんにとって快適な室温は犬種、年齢、病歴などによって変化します。
一般的には22~26度、暑さに弱い短頭種(フレンチブルドッグやパグなど)では24度以下、被毛の分厚い犬種(サモエドやハスキーなど)では20~22度、シニア犬や子犬では24~26度と言われています。
注意すべき点は、ワンちゃんが過ごす床上での温度は、エアコンで設定されている温度と異なる可能性があるということです。
特に小型犬では、床上の温度を普段からチェックすることをお勧めします。そして、必要に応じてサーキュレーターなどを使用し、床上の温度を調整するとよいでしょう。
飲水量
ワンちゃんの一般的な1日の飲水量は体重1㎏に対して60ml(体重5㎏のワンちゃんでは300ml)程度ですが、暑さや運動量などにより必要飲水量は変化します。
ワンちゃんによっては、普段からあまり水分をとらないこともあるようですが、健康診断で何の異常もない場合、夏場には水分補給を試みましょう。
□ 新鮮な水をこまめに与えてみる
□ ドライフードだけの場合には、ウエットフードを与えてみる
□ 肉(脂身の少ない)のゆで汁を好む場合、日常的に与えてみる
□ 冷却ボウルを使用する 多くのワンちゃんは冷たい水を好む傾向が見られます。特に、お留守番中には、冷却ボウルなどで冷たい水を長時間供給してあげると効果的かもしれません。
冷却マット
ワンちゃんは暑いとき、冷たい床にお腹をつけて体を冷やそうとすることがあります。
特にカーペットなどのお部屋で過ごしているワンちゃんには、お部屋の一角に冷却マットを敷いておくと自ら涼むことができるかもしれません。
お留守番の前に
お留守番前にお散歩をする場合には、帰宅後すぐに呼吸が整うか、体表の熱は引いたか、十分に水分をとれたか等を確認してからお出かけしましょう。
また、心臓病など持病のあるワンちゃんでは熱中症のリスクは高くなります。定期的な健康診断で、病気の早期発見、早期ケアを行い、熱中症予防も心掛けましょう。
獣医師紹介

ルール 久枝先生
日本で馬と小動物の臨床獣医に従事後、2002年にオーストラリアへ移住。その後はオーストラリアと日本を行き来しながら獣医業と獣医翻訳業に勤しむ。2011年に犬と猫、馬の代替治療院”Essence Care”をオーストラリアで開設。
