
まず初めに、ワンちゃんのお鼻はどうして潤っているのか、というお話をしましょう。
ワンちゃんは私たち人間の1,000倍から10,000倍のもの嗅覚を備えています。そのような優れた嗅覚により、遠くの状況や危険を察知したり、食べ物を見つけたりすることができ、日々の暮らしに役立てています。
このような嗅覚を発揮させるには、鼻を湿らせ、空気中に舞っている臭いの粒子をできる限り鼻に吸着させることが必要です。
鼻の潤いを保つため、鼻の中からは水分が分泌されています。この分泌物は、鼻を潤すだけではなく、体温の調節にも役立っています。
そのほかにも、ワンちゃんは自らの鼻を舐め、鼻についた汚れを落とし、潤いをアップさせるという動作も行っています。
このように、鼻の潤いを保つことはワンちゃんにとって大切ではありますが、健康なワンちゃんでもお鼻が乾いてしまうことはあります。例えば、眠った後、激しい運動をした後、風や日差しの強い日、また、加齢により鼻が乾きやすくなることもあります。
このような理由により鼻が乾いている場合は特に心配はありません。
しかし、皮膚の病気やアレルギー、熱中症などの病気で鼻が乾いてしまうこともあります。鼻が乾いている以外にもほかの症状、例えば、鼻の周りが赤い、痒みがある、パンティング(口を開けてハアハアする行動)が長く続く、食欲や元気がなくなる、下痢や嘔吐のような症状を伴う場合には早急に動物病院で受診しましょう。
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